製造業のホームページ制作完全ガイド|集客と受注につながる戦略・設計・運用をわかりやすく整理

製造業のホームページ制作完全ガイド|集客と受注につながる戦略・設計・運用をわかりやすく整理

(監修:株式会社クレフ マーケティングチーム)

目次

製造業にとって、ホームページは「会社概要を載せる場所」だけの存在ではなくなりました。
今や、きちんと設計・運用されたホームページは、展示会や営業担当者と並ぶ「もう一つの営業窓口」であり、新規顧客の開拓や既存取引先との関係強化に役立つ重要なインフラと言えます。

一方で、実際の現場からは次のようなお声もよく聞きます。
「ホームページを作ったが、問い合わせがほとんど来ない」
「何を載せれば自社の技術力が伝わるのかわからない」
「Googleで検索しても上位に出てこないので、見てもらえている実感がない」

こうした状況を放置してしまうと、せっかく設備投資や人材育成をしても、それが市場に伝わらず、価格競争や下請け構造から抜け出せない、という悪循環に陥る恐れがあります。

本記事では、製造業のホームページ制作・リニューアルを検討されている経営者・ご担当者様向けに、

  • 戦略設計(誰に・何を・どう伝えるか)
  • コンテンツの作り方(どの情報をどう見せるか)
  • SEO対策(検索から見つけてもらう工夫)
  • 公開後の運用(改善と更新の回し方)

といったポイントを、できるだけ専門用語をかみ砕きながら整理します。
「そもそも何から考えればよいのか」を確認するチェックリストとしてもご活用いただける内容です。

第1章:なぜ今、製造業に「攻め」のホームページが必要なのか

かつての製造業の営業といえば、既存取引先への定期訪問や、大規模な展示会への出展が中心でした。もちろん、これらは今でも重要な手段です。ただし、「それだけに頼るやり方」は、ここ数年で急速に通用しづらくなっています。

背景にあるのは、発注担当者の情報収集の方法が大きく変わったことです。インターネットやメール、オンライン展示会などの普及により、顔を合わせる前に、候補企業の情報をかなりのところまで調べられるようになりました。

1. 購買プロセスのデジタル化

BtoB(企業間取引)の分野では、海外の調査で「購買担当者は営業担当に連絡をする前に、購買検討のプロセスの半分以上〜7割程度を自ら情報収集で進めている」というデータも報告されています。
つまり、「この会社に相談してみるかどうか」の判断は、営業担当者に会う前に、ホームページや資料ダウンロードの段階でほぼ決まってしまっている、ということです。

ここで重要になるのが、自社サイトにどれだけの情報が載っているか、そしてその情報にどれだけアクセスしやすいか、です。
技術内容が薄かったり、検索してもなかなか見つからなかったりする状態だと、次のような機会損失が起こりえます。

  • 比較検討の候補リストにすら載らない
  • 「技術力はありそうだが、情報が不足していて不安」と判断される
  • 展示会で名刺交換をしても、その後ホームページを見た段階で候補から外されてしまう

「営業マンが会ってからが勝負」ではなく、「ホームページを見られた時点ですでに勝負が始まっている」と考えることが大切です。

2. 展示会依存からの脱却とリスク分散

展示会は、短期間で多くの見込み顧客と直接会える貴重な場です。しかし、ご存じの通り、次のようなリスクや制約があります。

  • 開催時期や場所が限られている
  • 天候や社会情勢(感染症、災害など)の影響を受けやすい
  • 出展費用・装飾・人件費など、コストが一度に大きく発生する

一方、ホームページは一度しっかり作っておけば、

  • 365日24時間、場所・時間を選ばずに情報を発信できる
  • 日本全国はもちろん、海外からの問い合わせにも対応しやすい
  • 1件1件の問い合わせコストを抑えながら、長期的に営業資産として積み上がる

というメリットがあります。展示会や営業訪問とホームページを組み合わせることで、営業活動のリスク分散が進み、「展示会が中止になった途端に新規が止まる」といった事態も避けやすくなります。

3. 「下請け」から「パートナー」への転換

多くの製造業の企業様が悩まれているのが、「価格競争から抜け出せない」という問題です。見積の段階で常に値下げを求められ、利益が削られていく…という状況は、経営者にとって大きなストレスになります。

ここで鍵を握るのが、ホームページ上での情報発信です。
自社の強みや独自技術、品質へのこだわりを、具体的な事例とともに丁寧に伝えることで、次のような変化を目指せます。

  • 「単に安い会社」ではなく、「この技術を頼める会社」として選ばれる
  • 困りごとや難題を相談される「技術パートナー」に近い立ち位置になれる
  • 価値に納得した上での依頼が増え、無理な値引き交渉が減る

このようなブランドづくりの土台として、ホームページは非常に重要な役割を果たします。

第2章:成果が出ない製造業ホームページの共通点

「ホームページはあるのに成果が出ない」とご相談をいただく際、詳しく拝見すると、いくつか共通する問題点が見えてきます。成功事例を見る前に、まずは「やりがちな失敗パターン」を整理しておきましょう。

なお、Google Search Console(サーチコンソール)で「クロール済み – インデックス未登録」と表示されるケースや、アクセス数がほとんど増えないサイトも、この章でご紹介する特徴に当てはまることが多いです。

1. 「会社概要」の延長で終わってしまっている

よく見られるのが、次のような構成のホームページです。

  • トップページに会社名と簡単な挨拶
  • 社長挨拶・会社概要・沿革
  • アクセスマップ
    これだけでは、「名刺を少し詳しくした」程度の情報にとどまってしまい、集客ツールとしては十分に機能しません。

発注側の担当者が知りたいのは、次のような情報です。

  • 自社の課題を解決できる技術を持っているか
  • どの程度の精度・サイズ・ロットに対応できるか
  • 品質や納期の面で安心して任せられるか

会社の歴史はもちろん大切なのですが、それ以上に、「現在どんな技術・設備があり、どのような問題を解決できる会社なのか」を、具体的に示していく必要があります。

2. 専門用語の羅列と「プロダクトアウト」視点

製造業のホームページでよく見かけるのが、「最新の〇〇加工機を導入」「高精度マシニングセンタ多数保有」といった設備紹介だけで終わってしまっているケースです。

設備の情報は重要ですが、「その設備によってお客様にどんなメリットがあるのか」が伝わっていないと、問い合わせにはつながりにくくなります。

  • 「最新の五軸加工機」
    → 「一度の段取りで複雑形状にも対応できるため、リードタイム短縮と加工精度の安定につながる」
  • 「各種溶接機を保有」
    → 「薄板から厚板まで、歪みを抑えた溶接が可能で、組立工程の手戻り削減に貢献できる」

このように、設備自慢を「お客様にとっての利点」に翻訳してあげることが大切です。
「プロダクトアウト(作り手の都合)中心」の説明だけではなく、「マーケットイン(お客様の立場)から見てどんな価値があるか」を一緒に書き添えましょう。

3. モバイル対応と表示速度の軽視

製造業というと、「パソコンの前でじっくり図面を見る」イメージがあるかもしれません。しかし最近は、現場でタブレットを使ったり、外出先や出張中にスマートフォンで下調べをしたりするケースが増えています。

また、Googleは検索結果を決める際に、主にスマートフォン版のページを基準に評価する「モバイルファーストインデックス」という考え方を採用しています。

  • スマホで文字が小さくて読みにくい
  • 画像が重く、表示に時間がかかる

といったサイトは、それだけで不利になりやすくなります。
「デザインはきれいだがスマホで見づらい」「トップの動画が重すぎてなかなか表示されない」といった状態は、早めに見直したいポイントです。

第3章:制作前の最重要ステップ「要件定義」と「戦略設計」

ホームページ制作というと、どうしてもデザインや見た目の話から始めたくなります。しかし、長く成果を出し続けるサイトに共通しているのは、「作り始める前の設計」がしっかりしていることです。

この設計段階を「要件定義」と呼びます。建物でいえば「間取りと構造を決める図面」にあたる部分です。

1. ターゲット(ペルソナ)の明確化

「ターゲットは製造業全般です」といった広すぎる設定は、結果的に誰にも刺さらないサイトになりがちです。
まずは、次のような観点から、なるべく具体的に人物像(ペルソナ)を描き出します。

  • 誰が:
    大手メーカーの設計担当者なのか、中堅企業の購買担当者なのか、中小企業の工場長なのか
  • どんな悩みで:
    コストダウンに悩んでいるのか、試作を短納期で対応してくれる先を探しているのか、難削材の加工先を探しているのか
  • どんな言葉で検索するか:
    「金属加工 大阪」のような地域+加工種別なのか、
    「チタン 精密加工 試作」「インコネル 難削材 加工」のような材質+条件なのか

例えば、「関西エリアで、難削材の短納期試作に対応してくれる加工会社を探している設計担当者」といったイメージまで絞り込めると、載せるべき情報や語りかける言葉が、ぐっと明確になります。

2. ゴール(KGI/KPI)の設定

ホームページの目的を、「なんとなく問い合わせを増やしたい」ではなく、できるだけ数値で捉えておくことも重要です。

  • KGI(最終目標):
    例)Web経由の年間売上〇〇万円、Webからの新規取引先〇社獲得 など
  • KPI(途中経過の指標):
    例)月間アクセス数、カタログダウンロード数、見積依頼件数、問い合わせ件数 など

といった形で、「どの数字をどこまで伸ばしたいか」を、経営の方針とあわせて整理しておきます。
むずかしく考える必要はなく、「今は月に問い合わせが1件だが、1年後には3〜5件くらいは欲しい」といった感覚的な目標でも構いません。それを起点に、ページ構成やコンテンツ量を逆算していきます。

3. 自社の「強み(USP)」の言語化

USP(Unique Selling Proposition:自社ならではの提供価値)という言葉があります。
「競合と比べたとき、なぜ選ばれるのか」という理由を整理するイメージです。

例えば、次のようなポイントが考えられます。

  • 他社が断るような微細加工や難素材に対応できる
  • 設計・試作・量産まで一気通貫で対応できる
  • 小ロット・短納期の案件にもフットワーク軽く対応できる
  • 品質保証やトレーサビリティの仕組みを持っている

これらを整理したうえで、ホームページのトップページに大きく打ち出すキャッチコピーやメッセージに落とし込んでいきます。
ここが曖昧なままだと、どれだけページ数を増やしても、「結局どんな会社なのかよくわからない」という印象になりかねません。

第4章:製造業ホームページに必要なコンテンツと構成

戦略や設計の方向性が固まったら、次は「どんなページを用意し、どんな情報を載せるか」を考えます。
ここでは、「検索エンジンから評価されやすい」「見込み顧客から信頼されやすい」という観点から、特に重要なコンテンツを整理します。

1. ファーストビューでの訴求と動画の活用

ユーザーがトップページを開いてから、最初の数秒で「自分に関係のあるサイトかどうか」を判断すると言われています。
この「一番最初に目に入るエリア(ファーストビュー)」で、

  • どのような業種・技術に強い会社なのか
  • どのような依頼に応えてくれるのか

がひと目でわかることが大切です。

近年は、工場の稼働風景や職人の作業シーン、製品ができあがるまでの流れを短い動画で見せるケースも増えています。動画は言葉よりも多くの情報を伝えられるため、「雰囲気」「信頼感」が一度に伝わりやすいというメリットがあります。

ただし、動画の容量が大きすぎると表示が遅くなり、かえって離脱されてしまうこともあります。

  • 再生ボタンを押した人だけ動画を読み込むようにする
  • 画質と容量のバランスを考えて適切に圧縮する

といった工夫を、制作会社と相談しながら進めていくとよいでしょう。

2. 「製品情報・技術紹介」のデータベース化

製造業のホームページで中心となるのは、「何がどこまでできるか」を示す製品・技術情報です。
単に製品写真を並べるだけでなく、設計担当者が知りたい情報を整理して掲載していきます。

  • 詳細なスペック:寸法、材質、公差、重量、対応可能なロット数など
  • 加工可能範囲:対応サイズや加工精度、治具・検査体制など
  • CADデータ提供:2D/3Dデータをダウンロードできるようにしておく など

こうした情報が揃っていると、設計段階で「この会社なら図面に組み込めそうだ」と判断され、いわゆる「スペックイン(仕様に組み込まれる)」を狙いやすくなります。

サイト構成としても、「製品カテゴリ別」「用途別」「材質別」など、ユーザーが目的の情報にたどり着きやすいように、データベース的に整理しておくことが大切です。

3. 課題解決型の「事例紹介(ケーススタディ)」

実績紹介のページでは、「〇〇部品を製作しました」という一文で終わらせてしまうのではなく、「どんな課題をどう解決したか」をストーリーとして伝えることが効果的です。

例えば、次のような流れです。

  • 顧客の課題:
    「強度が足りず、試験で不合格になってしまう部品があり、困っていた」
  • 提案内容:
    「材質を変更し、熱処理条件も見直すことで、強度とコストのバランスが取れる案を提案」
  • 結果:
    「強度が約2倍に向上しつつ、加工方法の見直しでコストも10%削減できた」

このような事例は、「この会社は自社と似た課題に向き合っている」「開発段階から相談に乗ってくれそうだ」と感じてもらえる材料になります。
Googleが重視しているとされる「実際の経験にもとづく情報(E-E-A-Tの『経験』)」という意味でも、事例紹介は非常に有効です。

4. 設備一覧と品質管理体制

製造業にとって、設備は「対応力」と「生産能力」を裏付ける重要な要素です。
ホームページ上では、少なくとも次のような情報を整理して掲載しておきたいところです。

  • 設備名・メーカー名・型番
  • 台数・加工可能サイズ・主な用途
  • 測定機器(三次元測定機・表面粗さ計など)の有無

加えて、ISO認証の状況や品質保証体制、検査フローなどを図解や写真付きで説明すると、初めての取引先にも安心してもらいやすくなります。

5. 「会社案内」と「代表メッセージ」

BtoBの取引は、最終的には「この会社と長く付き合えるか」「この経営者と価値観が合いそうか」といった、人と人との信頼関係で決まる部分も少なくありません。

そのため、会社案内のページでは、

  • 代表者の顔写真
  • 経営理念や大切にしている価値観
  • 創業の経緯や、今後目指している方向性

といった内容を、あまり難しい言葉にせず、経営者ご本人の言葉で載せておくことをおすすめします。
「顔の見えるホームページ」は、それだけで問い合わせの心理的ハードルを下げてくれます。

6. FAQ(よくある質問)

FAQ(よくある質問)は、ユーザーの不安や疑問をあらかじめ解消しておくことで、「問い合わせ前の一歩」を後押ししてくれるコンテンツです。電話対応の手間を減らせるだけでなく、質問と回答のセットが増えることで、検索エンジンからも評価されやすくなります。

例えば、次のような項目が考えられます。

  • 試作は1個から対応してもらえるのか
  • 遠方からでも取引可能か、配送はどのような方法か
  • 図面がない状態でも相談できるのか、どこまで手書きで大丈夫か
  • 納期短縮の相談はどのタイミングでするのが良いか

実際に問い合わせや見積依頼でよく出る質問をもとに、少しずつ充実させていくと、ユーザーにとって使いやすいFAQページになります。


第5章:製造業特化のSEO(検索エンジン最適化)対策

どれだけ充実したコンテンツを用意しても、見込み顧客に見つけてもらえなければ意味がありません。
ここでは、製造業ならではのSEOの考え方を、ポイントを絞って整理します。

1. ロングテールキーワードの攻略

「金属加工」「樹脂加工」といった大きなキーワードは検索ボリューム(検索数)が多い一方で、競合も非常に多く、いきなり上位表示を狙うのは現実的ではありません。

一方で、「今すぐ具体的な依頼先を探しているユーザー」は、より細かいキーワードで検索する傾向があります。

  • ステンレス 溶接 歪まない
  • 樹脂 切削 試作 短納期
  • 大型 五面加工機 関東

このように、「材質 × 加工方法 × 特徴(あるいは地域)」を組み合わせた「ロングテールキーワード」を意識して、製品ページや事例紹介、技術ブログの記事タイトル・本文に盛り込んでいくことが重要です。

ロングテールキーワードは一つひとつの検索数は少ないものの、「困りごとが具体化している見込み顧客」と出会いやすいのが大きなメリットです。

2. 構造化データマークアップ

構造化データは、ホームページの情報を、検索エンジンにとってわかりやすい形で記述するための技術です。
製品情報や会社情報、FAQなどを構造化データとしてマークアップしておくと、検索結果で「リッチリザルト」と呼ばれる、少し目立った表示の対象になりやすくなります。

例えば、

  • 製品の価格や在庫状況
  • 会社の所在地や電話番号
  • FAQの質問と回答

などが検索結果画面に表示される可能性が高まり、結果としてクリック率の向上が期待できます。
必ず表示されると約束されたものではありませんが、技術的な下地として整えておく価値は大きい施策です。

3. コンテンツマーケティング(技術ブログ)の運用

SEOの観点からは、「技術ブログ」や「コラム」を継続的に発信することも非常に有効です。
例えば、次のようなテーマが考えられます。

  • 「難削材インコネルを加工するときのポイント」
  • 「樹脂成形で発生しやすいバリと、その対策」
  • 「試作段階で加工会社に相談するときに準備しておきたい情報」

こうしたノウハウ記事は、「今まさにその悩みを抱えているエンジニア」からのアクセスを集めやすく、結果として「この会社は現場で本当に仕事をしている」「専門性が高い」と評価されやすくなります。

Googleが品質評価の考え方として示している「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」の観点から見ても、現場の知見をブログとして積み重ねていくことは、長期的なSEOの土台づくりに役立ちます。


第6章:ユーザビリティとデザインの工夫

製造業のホームページで最も大切なのは、「おしゃれさ」ではなく、「信頼感」と「使いやすさ」です。
デザインはあくまで、それらを支えるための手段として考えるとバランスが良くなります。

1. 導線設計(CTAの配置)

ユーザーがサイト内を見て回っている途中で、「問い合わせしたい」「見積をお願いしたい」と思った瞬間に、すぐにアクションを起こしてもらえるようにしておくことが重要です。

そのために、どのページからでも目に入りやすい場所に、

  • お問い合わせ
  • 見積依頼
  • 資料ダウンロード

といったボタン(CTA:行動喚起)を設置します。特にスマホでは、画面下部に常にボタンを表示するなどの工夫が効果的です。

電話対応を重視されている場合は、電話番号をタップするとそのまま発信できるように設定しておきましょう。「気になったときにすぐ連絡できる」導線があるかどうかで、機会損失の量が変わってきます。

2. 製品検索のしやすさ

取り扱い製品や対応範囲が広い会社ほど、ユーザーが目的の情報にたどり着くまでの「道筋」を整理しておくことが大切です。

  • カテゴリ別検索(板金・切削・樹脂成形など)
  • 用途別検索(自動車部品、医療機器部品など)
  • 材質別検索(アルミ、ステンレス、樹脂など)

といった絞り込み機能を実装すると、「自分に関係する情報だけ」を短時間で見てもらえます。
アイコンや写真を使って視覚的にナビゲーションを整えるのも、有効な方法です。

3. トンマナ(トーン&マナー)の統一

トンマナとは、サイト全体の「雰囲気」や「統一感」を指す言葉です。

  • 色使い
  • フォント(文字の雰囲気)
  • 写真のテイスト

などがバラバラだと、どことなく落ち着かない印象になり、信頼感も損なわれかねません。

例えば、

  • 精密・清潔感:青や白、シルバー系を基調とした落ち着いた色味
  • 情熱・力強さ:赤や黒、オレンジ系でエネルギッシュな印象
  • 環境・安心感:緑やベージュ系でやわらかい印象

といったように、自社のロゴカラーや事業のイメージに合わせて、プロのデザイナーと相談しながら基本のトーンを決めておくと、サイト全体の印象がぐっと引き締まります。

第7章:公開後の運用とPDCAサイクル

ホームページは、「公開したら終わり」ではなく、「公開してからが本当のスタート」です。
更新されないまま数年が経ってしまうと、情報が古くなるだけでなく、セキュリティ面や検索評価の面でも不利になっていきます。

1. CMS(コンテンツ管理システム)の導入

WordPress(ワードプレス)などのCMS(コンテンツ管理システム)を導入しておくと、専門知識がなくても、社内でお知らせや実績紹介を更新しやすくなります。

  • 「夏季休業のお知らせ」
  • 「新設備導入のご案内」
  • 「新しい事例紹介の追加」

といった情報を、制作会社に依頼しなくても自社で更新できる体制を整えておくことで、情報の鮮度を保ちやすくなります。
特に、設備投資や新サービスのリリースが多い会社ほど、「最新情報がすぐに反映されるサイト」であることが重要です。

2. アクセス解析と改善

Google Analytics(アクセス解析ツール)やSearch Console(検索状況を確認するツール)などを導入し、定期的に数字を確認していきます。

例えば、

  • どのページがよく見られているか
  • どのキーワードで検索されているか
  • 問い合わせフォームの手前で離脱が多いページはどこか

といった情報をもとに、

  • よく読まれているページをさらに充実させる
  • 問い合わせフォームに至る導線を増やす
  • 読まれていないページのタイトルや内容を見直す

といった改善を続けることで、ホームページは少しずつ「成果の出る媒体」に育っていきます。
完璧を目指す必要はなく、「3か月に1度は数字を見て、1つでも改善する」というイメージで十分です。

3. メルマガやSNSとの連携

ホームページだけで完結させるのではなく、メールマガジンやSNSと組み合わせて活用すると、顧客との接点を継続的に持ちやすくなります。

  • ホームページから資料請求や問い合わせをしてくれた企業に、定期的に技術情報や設備稼働状況をメールで配信する
  • LinkedInやFacebookなどのビジネス系SNSで、ブログ更新や展示会出展情報を発信する

といった取り組みを通じて、「いざ相談したいタイミング」で思い出してもらえる関係をつくっていくことが、安定した受注につながります。

まとめ:製造業の未来を切り拓くホームページ制作へ

製造業を取り巻く環境は変化が激しく、海外との競争も含めて決して楽ではありません。
しかしその一方で、高い技術力を持つ日本の中小企業にとっては、Webを上手に活用することで、これまで出会えなかった顧客とつながるチャンスが広がっているとも言えます。

最後に、本記事でお伝えしたポイントを整理します。

  • 制作前に、ターゲットとゴールを明確にする「要件定義」を行うこと
  • 自社ならではの強みを言語化し、顧客の課題解決に直結する専門的なコンテンツを用意すること
  • ロングテールキーワードや技術ブログなどを活用し、「探している人に届くSEO対策」を行うこと
  • 公開後もアクセス解析や更新を通じて、改善を重ねる「運用体制」を整えること

なお、「クロール済み – インデックス未登録」という状態は、コンテンツ内容やサイト構造を見直すべきサインのひとつと捉えるとよいでしょう。一般論だけではなく、貴社ならではの技術・経験・こだわりを丁寧に文章に落とし込んでいくことで、検索エンジンからも、見込み顧客からも評価されるホームページへと近づいていきます。

本記事が、貴社のホームページ制作・リニューアルを進めるうえでの整理ノートのような役割を果たし、新たなビジネスチャンスをつかむきっかけになれば幸いです。