SEO対策とMEO対策の違い
近年よく聞くようになったMEO対策。SEO対策と似ているけれど、どのような点が違い、なぜ最近注目されているのでしょうか。対策方法と合わせてご紹介します。
目次
まず結論:SEOとMEO、何がどう違う?
要点をまとめると次の通りです。
- SEO対策:検索結果ページで上位表示を目指し、サイト訪問から問い合わせや購入につなげる施策
- MEO対策:Googleマップ(ローカル検索)で上位表示を狙い、店舗への来店や電話問い合わせを促す施策
実店舗を持つビジネスではMEOの効果が直接的に現れやすく、全国展開やオンライン完結型のサービスではSEOが基盤になります。
多くのケースでは、両方を連携させることでより高い集客効果を期待できます。
基本概念の整理
SEO対策とは
SEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、自社サイトを上位に表示させる取り組みです。
たとえば「札幌 税理士」で検索したとき、自社のWEBサイトが検索結果の1ページ目に掲載されることを目指します。
MEO対策とは
MEO(Map Engine Optimization)は、日本で使われる言葉で、Googleマップ上での店舗情報を上位に表示させるための施策です。
海外では「ローカルSEO」と呼ばれています。
同じく「札幌 税理士」で検索した場合、検索結果の上部に表示される地図部分(ローカルパック)で上位に出ることが目標となります。
Googleビジネスプロフィールについて
MEO対策の中心となるのが「Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)」です。
2021年11月に名称が変更され、現在は無料で店舗情報や写真、口コミ返信、アクセス分析などが行えます。
詳細比較:どこがどう違うのか
| 比較項目 | SEO対策 | MEO対策 |
| 主な露出場所 | 検索結果の自然検索部分 | Googleマップ・ローカルパック |
| 対象となる検索 | 全般的なキーワード | 地域性のあるキーワード |
| 主なターゲット | 潜在顧客から顕在顧客まで幅広く | 今すぐ行動したい地域ユーザー |
| 効果発現期間 | 3~12ヶ月程度 | 1~3ヶ月程度 |
| 主要KPI | 検索流入数、CV数、掲載順位 | 表示回数、電話タップ、経路検索 |
| 初期投資 | 中~高(サイト制作含む) | 低(無料でも開始可能) |
| 向いているビジネス | 全業種(特にBtoB、EC) | 実店舗、地域密着サービス |
| 継続的な作業 | コンテンツ制作、技術最適化 | 情報更新、口コミ対応、投稿 |
表示される場所の決定的な違い
「地名+業種」など地域に関連するキーワードで検索すると、通常の検索結果より上にGoogleマップの情報が表示されます。これがMEO対策で狙う「ローカルパック」です。
表示件数は変動しますが、多くの場合3件程度が表示されます。
つまり、地域検索ではMEO対策のほうがユーザーの目に留まりやすい位置にあるといえます。
ターゲットユーザーの行動意欲の違い
MEO対策のターゲット:
- 「新宿 美容院」→ 新宿で美容院を探していて、すぐに予約したい
- 「渋谷 ランチ」→ 今まさに渋谷でランチできるお店を探している
SEO対策のターゲット:
- 「美容院 選び方」→ 情報収集中で、まだお店は決めていない
- 「ヘアケア おすすめ」→ 興味はあるが、すぐに行動するかは未定
このように、MEOは今すぐ行動したいユーザーに、SEOは比較・検討段階のユーザーに届く施策といえます。
業種別の優先順位と使い分け

MEO対策を最優先すべきビジネス
- 飲食店、美容院、クリニック、整体院
- 地域密着型の士業(税理士、行政書士など)
- 小売店、サービス業
- 「今すぐ」「近くで」検索されやすい業種
SEO対策を基盤とすべきビジネス
- BtoBサービス、コンサルティング
- ECサイト、オンライン完結型サービス
- 全国展開企業
- 専門性や信頼性の訴求が重要な業種
両方が必要なケース
- 複数店舗展開している企業
- 地域密着だが専門性も重視される業種(法律事務所、会計事務所など)
- 競合が多く差別化が必要な業界
MEO対策の始め方:ステップ1~3
ステップ1:Googleビジネスプロフィールの登録と最適化
基本情報の充実
- 正確な店舗名、住所、電話番号の登録
- 詳細な営業時間(祝日や特別営業日も含む)
- 適切な業種カテゴリの設定
- サービス内容をできるだけ具体的に記載
写真・動画の追加
- 外観、内装、商品、スタッフなどの写真
- 初めて来店する方がイメージしやすい情報を視覚的に提供
- 定期的な更新で新鮮な印象を保つ
ステップ2:継続的な運用管理
投稿機能の活用
- 最新情報やキャンペーン、イベントを定期的に投稿
- 写真付きで魅力を伝えるコンテンツを発信
- SNS感覚で手軽に更新できるのが特徴
口コミ対応
- 良い口コミには感謝を伝える返信を
- 厳しい口コミには誠実な対応を心がける
- 返信も他のユーザーに見られるため、丁寧な言葉遣いが大切
ステップ3:外部での露出強化
Googleはローカル検索の順位を「関連性」「距離」「知名度」で判断しています(Google公式情報)。
そのため、Googleビジネスプロフィール以外の場所での情報発信も欠かせません。
NAP情報の統一
- Name(名称)、Address(住所)、Phone(電話番号)を統一
- WEBサイト・SNS・ポータルサイトなどで表記を揃える
- 建物名の有無やハイフンの有無なども一致させる
SEOとMEOの相乗効果を生む連携方法

相互送客の仕組み作り
- MEOで知名度を高め、指名検索の増加がSEOにも好影響を与える
SEOで専門性を示し、MEO経由のユーザーに信頼感を与える
両方で検索結果に表示されることでブランド認知が強化される
コンテンツの連携
- 店舗ページではアクセスや地域の特色などローカル情報を充実
ブログでは地域に関するトピックを発信
構造化データ(LocalBusiness schema)でGoogleに正確な情報を伝える
よくある質問と回答
Q: MEO対策だけで十分ですか?
A: 実店舗中心のビジネスであれば、初期段階はMEO対策だけでも一定の効果を得られます。
ただし、長期的に成長を目指すならSEO対策も欠かせません。MEOは地域検索に限定されるため、より幅広い顧客層へアプローチするにはSEOでの強化が必要です。また実店舗中心のビジネスの場合、InstagramなどのSNSに注力するのもおすすめです。
Q: 悪い口コミが投稿された場合の対処法は?
A: まずは内容を冷静に確認し、事実に基づく指摘であれば改善策を含めて返信します。
一方、明らかに事実と異なる内容や悪質な書き込みであれば、Googleへの報告・削除申請が可能です。
削除申請については以下の記事に詳しく掲載しています。
Q: 効果が出るまでの期間はどの程度?
A: MEOは比較的早く効果が現れ、1~3ヶ月で変化を感じるケースが多いです。
SEOは中長期的な施策で、3~12ヶ月程度を目安に見ておくと良いでしょう。競合状況や施策内容によって期間は前後します。
Q: 両方やる場合、どちらから始めるべき?
A: 実店舗がある場合は、まずMEO対策から始めるのがおすすめです。無料で始めやすく、短期間で成果を実感しやすいからです。
その後SEO対策に取り組み、両者を連携させることでさらに効果を高められます。
まとめ
SEO対策とMEO対策は、どちらも検索からの集客を目的とする重要な取り組みですが、狙うターゲットや成果の出方は異なります。
ポイントを整理すると:
- 実店舗ビジネスならMEO対策は必須
- 広い顧客層を狙うならSEO対策が基盤
- 両方を連携させることで相乗効果が生まれる
- NAP情報の統一など、細部への注意が成果を左右する
まずは自社のビジネスモデルや目的を明確にし、優先順位を決めて取り組みましょう。
MEO対策ならGoogleビジネスプロフィールの登録から、SEO対策なら自社サイトの改善から始めてみてください。
地道な取り組みではありますが、正しい方向で継続すれば確実に集客力の向上につながります。

